スターリンは、従来の「マルクス主義」から「マルクス・レーニン主義」という新しいイデオロギーを構築するとともにトロツキー、ブハーリンなどのライバルを「分派活動をした」「資本主義の復活を幇助(ほうじょ)した」などの罪状で粛清した。金正恩は、スターリンから権力基盤確立の技法を学んでいるのだと思う。
「革命家の血筋」も粛清
『最後の勝利をめざして』には、万景台革命学院、康盤石革命学院創立65周年に際して学院の教職員、生徒に送った書簡が収録されている。書簡の日付は、2012年10月12日だ。金第1書記は、北朝鮮のエリート候補生である万景台革命学院と康盤石革命学院の関係者に対して重大な警告を行ったのだ。
<万景台革命学院と康盤石革命学院は、生徒に対する教育活動において何よりも思想教育活動を強化すべきです。
革命家の血筋を引いているからといって、その子がおのずと革命家になるわけではありません。
偉大な大元帥たちが述べているように、人の血は遺伝しても思想は遺伝しません。
革命思想は、ただ絶え間ない思想教育と実際の闘争を通じてのみ信念となり、闘争の指針となり得るのです>(132ページ)