古い世代のエリートを粛清し、数学と理科系の基礎学力が強い若年層を北朝鮮エリートの中核に据えるというのが金第1書記の戦略だ。
北朝鮮国家を中長期的に強化するという方向性にかんがみて、エリートの世代交代を促進し、数学力の強いエリートを登用するという方針は、戦略的かつ合理的だ。金第1書記が進める改革を侮ってはならない。日本の外務省は本格的調査を始める必要がある。
わが国としても、数学教育で北朝鮮に後れを取らないようにしなくてはならない。今後の国家の命運は、理数系に強い人材をどれくらい育成するかにかかっている。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(さとう・まさる)/SANKEI EXPRESS)