AIJ投資顧問(現MARU)前社長、浅川和彦被告(左)と、AIJに家宅捜索に入る警視庁の捜査員(右下)=2013年12月15日現在(コラージュ)【拡大】
AIJ投資顧問(現MARU)による年金資産消失事件は、詐欺罪などに問われた前社長らの判決を12月18日に迎える。問題発覚から1年10カ月。影響は大きく、厚生年金基金は大幅縮小を余儀なくされた。被害を受けた基金、年金を所管する厚生労働省、長年不正を見過ごしたと批判された金融庁と証券取引等監視委員会…。多くの機関が注目している。
「資産が戻ってくるとは思っていないが、せめて(AIJ前社長らを)有罪にしてほしい」。長野県建設業厚年基金(長野市)加入企業の幹部が力を込める。
7月の公判では前社長の浅川和彦(あさかわ・かずひこ)被告(61)が詐欺罪の否認に転じた。
その一方で、基金は解散方針を決めていた。2010年に20億円超の使途不明金が発覚、一部を着服したとして業務上横領容疑でタイに逃げていた元事務長が逮捕されたことも影響したが、約65億円を預けたAIJの問題が決定打となった。
05年に運用委託した埼玉県の厚年基金。代議員会に出たAIJの担当者は専門用語を駆使し「危険はない」「われわれの売りは安定性」と繰り返した。疑義を唱える代議員はおらず、3億円の委託がすんなり決まった。「向こうはプロでこちらは素人。言われるがまま委託してしまった」。6年前まで常務理事だった男性(68)が悔やむ。