イスラム教の戒律が厳しいサウジアラビアでは、ちょっとおてんばな女性が車でも運転しようものなら、その是非をめぐってかんかんがくがくの議論が起こり、“興味深い”ニュースとして世界へ配信されてしまう。そんなお国柄では映画館の設置も法的に認められておらず、長編映画がすべて国内で撮影されたのも「少女は自転車にのって」が初めてとなる。
本作を手がけたのはこれまた国内初の女性監督となるハイファ・アル=マンスール(39)。前述の自動車を自転車に置き換えて「女性が抱く自由への渇望を行間からにじませるメタファーとしました」と話し、日々の暮らしで伝統文化の制約を受けながらも、大切にもしたい女性の矜持(きょうじ)と、どう付き合うべきなのかと問題提起してみせた。
インターネットで価値観変化
10歳のおてんば少女、ワジダ(ワアド・ムハンマド)は幼なじみの少年と自転車競走がしたくてたまらないが、母は大反対。ある日、学校でコーランの暗唱コンテストが開催されることになり、ワジダはその賞金で自転車を買おうと必死に暗唱に取り組むが…。