東京都千代田区九段北の靖国神社【拡大】
つまり、日本国内の一部メディアが「中国・韓国の反発」を理由に参拝を批判し、中国メディアは、こうした日本国内の声を根拠に非難を繰り広げる。まるで反響し合う“こだま”だ。
中国共産党機関紙の人民日報(電子版)は(2013年)12月27日の論評記事でこう書いた。「拝鬼(靖国神社参拝を指す)は何を意味するか。靖国神社は14人のA級戦犯の位牌(いはい)を祭っている。これらの戦犯にひざまずき、軍国主義を復活させようとすることだ」
首相の参拝に反対する日本人でも、さすがにこうした中国側の誤解、曲解に全面同意する人はまれだろう。そもそも靖国神社に位牌はない。初歩的な知識すらないのに「靖国神社の本質」を説かれても説得力はない。
「世論戦」を宣言
“歴史カード”には沈黙するだけだったはずの日本の変化に、中国、韓国メディアの間には困惑の色も見え隠れする。