杉本容疑者は警察官に名前を呼ばれた後、川の中を20メートルほど上流に向かい走って逃げたが、前方から来た別の警察官2人と挟み撃ちされる形となり、身柄を確保された。署員が「杉本だな」と尋ねると無言でうなずいたという。その後、集まった大勢の警察官に囲まれてパトカーに乗り込み、約20キロ離れた地検川崎支部に移送された。
杉本容疑者の逃走後、県警は捜索のために延べ1万人以上の警察官を投入。約100件に上った目撃情報や防犯カメラの画像の分析などを通じて杉本容疑者の足取りを捜査してきた。
杉本容疑者は(1月)2日、川崎市内の路上で女性会社員(21)を車に押し込み暴行、現金を奪った容疑で6日に逮捕。(1月)7日の送検後、川崎支部6階で弁護士との接見中に腰縄を自ら外して逃走した。
≪決め手は携帯の電波、親友2人が手助けか≫
身柄確保まで丸2日間を要した今回の逃走事件。県警は、杉本容疑者が友人宅を転々としているのではないかとの見方を強め、最初の逮捕時に押収した杉本容疑者の携帯電話のデータなどから交友関係を割り出し、友人約20人から事情聴取。その中で「付き合いが濃い」(県警幹部)という中学時代の親友2人が浮上した。