──そうか。彼もまた、修行しているのか。
感慨深いものがあった。
修行僧たちは昨年(2013年)11月1日、入行した。わたしはその日、取材した。覚悟を示す白装束をまとった僧たちが廊下を渡って祖師堂に入っていく。頭は青々と剃られている。全員そろった。正座して大音声で読経する。入行の儀式。修行僧を導く老僧がいった。
「102人の命、伝師としてお預かりする」
僧たちは命がけで修行し、心身を錬磨するのだ。厳粛な気持ちになった。
入行から幾十日が経った。定められた面会日に家族らと会えるようになった。面会所には「手荷物の受け渡しは厳禁」と記してあった。面会所の奥。修行僧が垣間見えた。黒い髪が伸び、髭はぼうぼうだった。苦行がしのばれる。修行僧たちは2月10日、満行の日を迎える。どんな姿で現れるのか。その朝もまた、訪れよう。(塩塚保/SANKEI EXPRESS)
■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。