蒸留酒売上高ランキング=2014年1月13日現在、※小売金額ベース。IWSR2012データによる【拡大】
≪蒸留酒世界3位 新興国拡販目指す≫
約1兆7000億円と過去最大の巨費を投じるサントリーHDの米ビーム社買収は、世界トップクラスの酒類メーカーをめざすサントリーと、新興国市場の攻略に向けた後ろ盾を求めるビーム社の思惑が合致した形だ。
サントリーHDは6400億円(2013年9月時点)と潤沢な手元資金を持つ。今回の買収費用は、手元資金と三菱東京UFJ銀行などからの融資で賄う。日米の金融緩和で資金調達が容易になっていることも、買収に弾みをつけた。
ビーム社の2012年のスピリッツ(蒸留酒)売上高は世界4位の24.6億ドル(酒税抜き)。サントリーHDは世界10位(18.5億ドル)と蒸留酒事業の規模は劣るが、買収により蒸留酒事業で世界3位となる。創業事業のウイスキーで世界トップクラスに入ることは、サントリーの宿願だった。サントリーHDの佐治信忠社長は「世界でも類を見ない強力なポートフォリオ(組み合わせ)を持つスピリッツ事業が誕生する」と期待をにじませる。
一方、飲料や食品なども合わせたサントリーグループ全体の売上高は1兆8000億円超とビーム社をはるかに上回る。競争の激しい新興国市場で拡販を目指すビーム社は、より規模の大きいサントリー傘下で事業拡大を狙った。