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【エディターズEye】日本人の生命力 (2/2ページ)

2014.1.15 16:44

奄美大島の人々が「2つの海が見える場所」と呼ぶ高台から望む東シナ海(左)と太平洋(右)。2つの海は徒歩で10分もかからない距離にある=鹿児島県大島郡龍郷町(別府亮さん撮影)

奄美大島の人々が「2つの海が見える場所」と呼ぶ高台から望む東シナ海(左)と太平洋(右)。2つの海は徒歩で10分もかからない距離にある=鹿児島県大島郡龍郷町(別府亮さん撮影)【拡大】

  • 幹線道路から海岸へ抜ける道沿いに、名もなきジャングルが広がる。クワズイモが大きな葉を広げ、パパイヤの樹が実をつけていた=鹿児島県大島郡龍郷町(奄美大島、別府亮さん撮影)
  • 「カトリック赤尾木教会」の庭にある大きなガジュマルの木の下で=鹿児島県大島郡龍郷町 (奄美大島、別府亮さん撮影)
  • 映画監督の河瀬直美氏=2013年12月10日、東京都千代田区(野村成次撮影)
  • 海辺で撮影の打ち合わせをする河瀬直美監督(中央)。作品では、美しい、時に荒々しい姿をみせる自然を切り取った=2013年10月19日、鹿児島県・奄美大島(アスミック・エース提供)。(C)2014“FUTATSUME_NO_MADO”JFP,CDC,ARTE_FC.
  • 【奄美が教えてくれるもの】SANKEI_EXPRESS__2014(平成26)年1月1日付(1面)
  • 奄美大島では年間を通じて目にすることができるハイビスカス。その種類は500種類以上あるとされ、花びらの色は赤、白、黄、ピンク、オレンジなどがある=鹿児島県・奄美大島(別府亮さん撮影)
  • 奄美大島に生息する代表的なチョウのリュウキュウアサギマダラ。寒くなると森で枯れ枝などに止まり、体を寄せ合って静かにしている=鹿児島県・奄美大島(別府亮さん撮影)
  • 奄美大島の海辺でよく見かけるオカヤドカリ。島民にとって最も身近な天然記念物だ(提供写真)
  • 砂浜に生えているアダンの実。アダンは防波堤や道路の植栽にも利用され、熟して落ちた実はオカヤドカリの餌となる(提供写真)
  • 鹿児島県・奄美大島は奄美市、瀬戸内町、龍郷町、大和村、宇検村の1市2町2村。奄美市には4万4515人が暮らす=2013年12月31日現在

 「種を植えて芽が出ても、実り多き収穫の時期に全部台風に持っていかれ、壊滅的な打撃を受ける可能性もある。それでも、めげずに春には種を植えていく。簡単にはあきらめないという強い精神世界を肌で感じました」

 そんな美しくも猛々(たけだけ)しい自然との対峙(たいじ)は、3回目の新年を迎えた東日本大震災の被災地にも重なる。昨年(2013年)7月、宮城県女川町では津波に襲われた中心部約38ヘクタールに最高約17メートルの高さで盛り土を行う工事にとりかかった(2013年7月13日付SANKEI EXPRESS)。岩手県宮古市田老地区のスーパー堤防が崩壊したように、「絶対安全」という神話はもはやない。それでも、逃げ出すこともなく、大規模な造成工事に再起を懸けるのは、どんなに大変なことがあってもその土地で次の世代を育て、生きぬいていくと覚悟したからに違いない。

 便利で安全な都会で暮らしているとうっかり忘れてしまいそうだが、奄美大島でも三陸沿岸でも、日本人は時代の変化や自然災害に向き合いながら、ごく当たり前に古来の豊かさを受け継ぎ、力強く生命力を育んできた。この一年、生きぬいていくヒントになれば幸いだ。(SANKEI EXPRESS編集長 佐野領/SANKEI EXPRESS

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