2014年ソチ冬季五輪会場。競技は、ロシア・ソチの市街地から約40キロ南東にある黒海沿岸の「アドレル」と、アドレルから約45キロ離れた山岳地域の会場「クラースナヤ・パリャーナ」の2カ所で実施。(C)Google【拡大】
風向きが不安定で、何度も競技が中断されるなか、高梨は集中力を切らさなかった。ソチのジャンプ台に似た曲線が緩やかな助走路にも対応し、しっかりと踏み切ると、全選手の中で最も強い向かい風を受け、ぐんぐん伸びた。小川チーフコーチの判断で前の選手よりスタート位置を下げていたが、「沙羅なら(HSの)100メートルくらい飛んで安全に着地できるだろう」という予測を超えた。
「たくさんの観客の中で優勝できてうれしい」と、本人は喜んだが、ソチまで約3週間に迫ったこの時期、最大のライバルのサラ・ヘンドリクソン(米国)ら女子選手で相次いでいる負傷や故障は絶対に避けなければならない。着地の際の膝への強い衝撃が一因で、高梨も「技術不足なのでもっと練習したい」と、状況に対応したジャンプの取得を課題に挙げた。
強い心臓、漂う余裕
その点、通算勝利で並ばれたが、W杯史上最年長優勝を果たしたばかりのベテランは危なげない。