韓国外務省が開館を発表すると、韓国メディアは1月19日夕のニュースで一斉に報じた。一方、中国側は国営新華社通信が「外交ニュース」として淡々と伝えるにとどめた。
国営新華社通信は、安重根を「朝鮮半島の近代史上、著名な独立運動家」「反日運動に身を投じた」と紹介している。開館式であいさつした黒竜江省の孫堯副省長は「歴史を心に刻み、過去を反省し、未来を展望することが目的だ」と述べて直接の日本批判は避けた。
もともと中国側は記念碑などの設立に消極的だったとされる。北東アジア史を専門とする中国人学者は、異民族の要人暗殺をたたえることで、チベットや新疆ウイグル自治区の治安に悪影響を及ぼす恐れを指摘。抗日戦争で戦死した中国の“英雄”を差し置いて、外国人の記念碑を設置することへの軍人や保守派の反発も懸念されていた。
ハルビン市内の朝鮮民族芸術館内にはすでに2006年7月、「安重根義士記念館」が設置されているが、観覧者の8割が韓国人。漢族の中国人はほとんど興味を持っていないというのが現実だ。