2011年のカンヌ国際映画祭で監督賞に輝いた「ドライヴ」のニコラス・ウィンディング・レフン監督(43)とライアン・ゴズリング(33)が、タイを舞台にしたサスペンスドラマ「オンリー・ゴッド」で再びコンビを組んだ。そのあまりに凄惨な暴力シーンが13年のカンヌ映画祭で話題となったのは記憶に新しい。製作と脚本も手がけたレフン監督は「天国と地獄のはざまをさまよう人間たちの葛藤を描きたかった」とその意図を説明した。
分身みたいな人物
とある事件で米国を追われたジュリアン(ゴズリング)はバンコクへ渡り、ボクシングクラブを経営する傍ら、裏では麻薬密売に手を染めていた。そんなある日、兄のビリー(トム・バーク)が売春婦を殺した報復で何者かに惨殺された。米国で巨大な犯罪組織を取り仕切る母のクリスタル(クリスティン・スコット・トーマス)は、溺愛する息子の死に衝撃を受け、ジュリアンに復讐を命じたが、バンコクの裏社会を牛耳る元警察官、チャン(ヴィタヤ・パンスリンガム)が立ちはだかり…。