一つのメッセージだけを込めたわけではなく、観客にはいろんな捉え方をしてほしいと願ってやまない。「例えば、女の子たちがラップをする姿も挿入されています。女性の社会的な地位を考える材料にもなるし、女性ラッパー本人だけではなく彼女たちの家族の考え方を知ることにもつながります。ひとくくりにパレスチナ人といっても、イスラエル領、ガザ地区、西岸地区では考え方も違いますからね」。2月8日から東京・渋谷アップリンク、2月1日から大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開。(高橋天地(たかくに)、写真も/SANKEI EXPRESS)
■Jackie Reem Salloum 米国生まれ。ニューヨーク大学大学院で芸術学を専攻。在学中からポップ感覚のアート(おもちゃなど)を用いて、アラブ人に対する固定観念の払拭に挑んできた。主な監督作品は、2005年「プラネット・オブ・ジ・アラブズ」、短編「Yala to the Moon」。PBSテレビの短編ドキュメンタリー「アラブ系アメリカ人の物語」など。