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【花緑の「世界はまるで落語」】(22) 節分でご縁を感じる年のはじまり (2/4ページ)

2014.2.3 16:40

弟子と私。左から緑君(ろっくん)、柳家花緑(やなぎや・かろく)、花いち(はないち)。そして2月3日も行われる=静岡県静岡市駿河区・平澤寺(へいたくじ、柳家花緑さん提供)

弟子と私。左から緑君(ろっくん)、柳家花緑(やなぎや・かろく)、花いち(はないち)。そして2月3日も行われる=静岡県静岡市駿河区・平澤寺(へいたくじ、柳家花緑さん提供)【拡大】

  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ)、鬼〆(おにしめ)、花緑、初花(しょっぱな)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ)、(後列左から)圭花(けいか)、緑太(ろくた)、フラワー、緑君(ろっくん)、花いち(はないち)、まめ緑(まめろく)、花どん(はなどん、提供写真)
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)とその一門。(前列左から)花ん謝(かんしゃ、3人目の弟子)、鬼〆(おにしめ、2人目の弟子)、花緑(師匠)、初花(しょっぱな、最初の弟子)、柳貴家雪之介(やなぎやゆきのすけ、弟子ではなく一門に入門)、(後列左から)圭花(けいか、10人目の弟子)、緑太(ろくた、7人目の弟子)、フラワー(8人目の弟子)、緑君(ろっくん、4人目の弟子)、花いち(はないち、5人目の弟子)、まめ緑(まめろく、6人目の弟子(女性))、花どん(はなどん、9人目の弟子(花緑さんの弟子はこの時点で9人)=2012年7月7日現在
  • 【花緑の「世界はまるで落語」】落語家、柳家花緑(やなぎや・かろく)さん(ミー&ハー_コーポレーション提供)
  • 【本の話をしよう】「落語が教えてくれること」(柳家花緑著/講談社、1000円、提供写真)

 7人くらいで、毎年同じ曲ですが、とても縁起の良い感じに威勢良くたたかれます。そして演奏が終わると、いよいよ中曽根眞南(しんなん)ご住職によるごあいさつがあり、立派に裃(かみしも)を着けさせていただいた私と弟子たちが写真のようないで立ちで豆をまくわけですが、結構な量の豆をまきます。しかも平澤寺のお豆はちゃんと「福豆」と書かれた袋に入れられているのでとても綺麗です。そこへリボンを付けた五円玉、紅白饅頭、五円をかたどったチョコレート、紅白のサイコロキャラメルなどを大きな升に入れて力の限りまき続けます。「福は~内!」「福は~内!」。「鬼は外!」は言わないですね、ここのお寺では。とにかく、後ろのほう、遠くのほうにも手を振っているお客さまがいるから、そこに届くように、次の日に肩が筋肉痛になるのもいとわず投げ続けるのです。ですが気付くと前のほうでも「か~ろくしゃ~ん!」と、目が血走って鼻水垂らしながら必死に叫ぶ、おばちゃんやら子供たちがいる。他人(ひと)より多くの豆をもらおうと亡者の叫びを見るかのような、すごい熱気なわけです。そこへ上からジャンジャン豆をまいていくと自分が権力のある偉い人物になったような錯覚を覚えます。毎年そうしてまかせていただき、なんでこんなにも普段おとなしい草食系な静岡県人が肉食系に変貌するのかと考えましたら、理由が僕なりにわかりました。

先代柳家小さんと「剣道の友」

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