そして迎えた2回目、持ち前の低い姿勢から力強い踏み切りで飛び出したジャンプ。だが、思うように飛距離は伸びなかった。98.5メートル。記録を確認すると、テレビカメラに向かって照れ笑いのような表情を浮かべながらぺこりとお辞儀し、軽く右手を振った。
運も味方しなかった。2本のジャンプで、自身の番では、いずれも不利な追い風だった。銅メダル圏内で最後の選手を見守ったが、2本目のジャンプもまとめられ、夢はついえた。
「この舞台に立てたことは、すごくいい経験」。インタビューには気丈に答えながらも、悔しさがにじんだ。「納得のいくジャンプができず、すごく残念」。歓喜のメダリストを見て、祝福と、自分もあそこに立ちたかったという気持ちがない交ぜになった。