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【アラスカの大地から】20年前 「原点」の1枚 (1/3ページ)

2014.3.13 14:40

初めてアラスカで撮った野生動物。カメラ目線でポーズまでとってくれているようだ=1994年1月、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)

初めてアラスカで撮った野生動物。カメラ目線でポーズまでとってくれているようだ=1994年1月、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)【拡大】

  • リスと同じく初めて撮ったオーロラ。おめでたいもので、毎晩のように現れるものだと勘違いしていた=米アラスカ州(松本紀生さん撮影)
  • 写真家、松本紀生(のりお)さん=2010年7月20日、米アラスカ州(本人提供)
  • 米アラスカ州のマッキンリー山(標高2万237フイート、6168.2メートル)=2013年9月12日現在

 1枚の写真がある。20年前に初めてアラスカで撮ったものだ。氷点下40度の森に暮らすリス。決定的瞬間にはほど遠いが、自分にとっては大切な写真のひとつだ。

 カメラの知識も経験もなかった。アラスカを撮る写真家になると決めて現地に渡ったものの、どうすれば写真家になれるのか、見当もつかなかった。

 誰かに習うつもりはなかった。「写真は己の感性が生む芸術。人に教わるものではない」と、頑なに決めていたのだ。とにかく練習しかない。森に入り被写体を探すと、寒気を切り裂くようにリスが走り回っていた。

 降り積もった雪に掘ったいくつもの穴と穴の間を、忙しそうに行き来する小さな命。その弾ける生命力に、無意識のうちにレンズを向けていた。

 だが野生動物はそれほど従順ではない。近づくととっさに穴に身を隠し、一切姿を見せてくれなくなった。思えばこの小さな試練が、この地で自然と向き合うことの難しさを暗示していたのである。

 ≪「撮りたい」想いは変わらない≫

 ない知恵を絞って対策を練った。森といえども内部は雪の白一色だ。同色の布を被って自分をカモフラージュしよう。レンズが出せるだけの穴を開けたシーツを持って、再び森に出かけた。

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