1年弱の時間をかけ、彼らの本音に迫っていった。「遠慮するのは逆に失礼。聞きたいことはグイグイ聞きました。気をつけたのは、フェティッシュになりすぎないこと。読み手に『自分とは違うから関係ない』と思われてしまってはいけない。綿密に話を聞いて、自分たちと同じ部分を見つけ出していきました」
何度も口に出る「普遍性」「共通項」というキーワード。「うちのバーは新宿という場所柄、ニューハーフの方などもよくいらっしゃる。どうしてもイロモノに見てしまいがちだけど、実際に話してみると性の志向が違うだけで、自分と全く変わらない。表面だけを見て『ヘン』とくくってしまうと、視野が狭くなってもったいない。『ヘン』の向こう側に、たくさんの楽しさがあるのに。そんな『差』を埋めたい、という思いも執筆の動機の一つです」
「目からウロコ」の答え
広告代理店を経て、ジャーナリストに。「社会問題を声高に訴えるよりかは、人が取り上げない何げないドラマに興味があるんです。市井の人々を切り取ったコラム集『街角の詩』などで知られるアメリカのジャーナリスト、ボブ・グリーンに影響を受けました」