それぞれが直面した試練、支えになってくれた母のことを語り合う鈴木明子さん(手前)と佐藤真海(まみ)さん=2014年3月31日、東京都千代田区(大橋純人撮影)【拡大】
佐藤さん「パラリンピックの精神は、失ったものやないものを嘆くのではなく、自分にあるもの、できることにどうチャレンジしていくか。鈴木さんが言うように、競技には完璧を求めるけれど、気持ちの持ち方を変えることが大切でした。鈴木さんと話していて、柔軟で優しい雰囲気が伝わってくるのも、その経験からきているのでしょうね」
――2人とも、お母さんが支えになってくれた
佐藤さん「足を切断すると告知された日の夜、母は『神様は乗り越えられない試練は与えないんだよ』と私に言ってくれました。闘病生活では、その言葉が私の大きな支えになりました」
鈴木さん「私は体重が32キロまで落ちたのですが、もし30キロを切ったら入院しなければなりませんでした。入院治療をするとかなりの時間がかかるのですが、そんな状況でも私は『スケートを続けたいから、入院だけは避けたい』と願っていました。そんな私に、母は『私が責任を持つ』と自宅療養に付き添ってくれました。それまでは反抗期もあって、すごく反発していたのですが…」
佐藤さん「一緒に住んでいると、思春期のころはぶつかってしまいますよね」