北海道立池田高校(池田町)の吹奏楽部は踊りながら演奏する全国でも珍しいスタイル「ダンス&プレー」が持ち味だ。町や福祉施設でのイベントに引っ張りだこ。年間70回もの公演をこなす傍ら、東日本大震災後は募金を集め、これまでに計約300万円を町と交流が深い岩手県山田町に復興義援金として送った。
「難色」を逆手に
ちょうネクタイ姿の4人が金管楽器を吹きながらステージを駆け、ステップ、ターン。後方のチューバとドラムの2人もノリノリだ。アイドルグループ「Perfume」の「レーザービーム」の最後を笑顔のポーズで決めた。
「4、5曲で息がすっかり上がります」と主将の3年生、原田恵実さん(17)が語る激しい公演はどうして始まったのか。
もともとは普通の吹奏楽部だった。2008年9月ごろ、当時の顧問と部員が校外で演奏する場を求めて地元の祭りの主催者に頼みに行った。
「吹奏楽は片付けに時間がかかる」。難色を示されたため椅子と譜面台の使用をやめたら、周りががらんとしてしまった。それを逆手にとって「動きながら演奏しよう」というアイデアが生まれ、進歩を重ねていった。