新たな設備投資を検討中
パウリノ市長は「この20年で世界のグローバル化は進み、海外からの訪問者は増えている。米兵も観光客と同じだ。しかも規模が大きい」と話す。
実際、基地の跡地で03年からクラブやホテルを経営している男性は、「米艦船が寄港すると2000~5000人の兵士が3~4日にわたり町にカネを落とす。うちの飲食の売り上げもひと晩80万ペソ(約180万円)になる」と語り、新たな設備投資を検討中という。
フィリピン当局はスービック返還後、670平方キロメートルの敷地と80億ドル(約8150億円)相当の施設を引き継いだ。香港やシンガポールのような自由貿易港を目指し、一帯を経済特別区に指定して外資の積極誘致を進めた。
税優遇措置にひかれ、日系製造業も工場を構えたが、日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、急に土地利用料を課されるなど混乱。日本からの借款で整備した貿易港の利用率は、計画比で1割以下にとどまっている。
一方、フィリピン政府は、南シナ海における中国艦船への即応体制を強化するため、スービック地区の港湾や滑走路の修復を進めている。中国と領有権を争うスカボロー礁(中国名・黄岩島)への偵察監視などを強化する方針だ。(フィリピン北部オロンガポ、吉村英輝/SANKEI EXPRESS)