エジプト南部ルクソールにある観光名所、古代ツタンカーメン王(紀元前14世紀)の墓を実物大で細部に至るまで精巧に再現したレプリカが実物の近くに完成し、このほど一般公開された。AP通信やCNNなどが伝えた。
紀元前1327年に19歳で死去したとされるツタンカーメン王の墓は、イギリスの考古学者、ハワード・カーターによってほぼ手つかずの状態で1922年に発見された。その後何十年にもわたって公開され、見学に訪れた大勢の観光客の呼吸による湿気で壁画や壁が傷み、気温の変化で塗料がはがれ落ちたりひび割れたりするなどして劣化が進んでいた。
レプリカは墓の損傷が進む実物を保全するのが目的で、ルクソール近郊の「王家の谷」の入り口付近の地下に建設。死後の世界へ旅立つ王を描いた壁画は、2009年に撮影された画像をもとに傷んだ状態のままで再現され、墓の内部の構造も、かつてミイラが眠っていた部屋の大理石も含め、樹脂を使って複製された。
実物の墓も現在は一般公開されているが、近く公開を中止するという。観光客に対してはレプリカへの訪問を促す。
レプリカは69万ドル(約7000万円)の予算をかけ、スペインとスイスの団体が協力し、3Dスキャン技術を駆使して4年がかりで完成させた。