作家、元外務省主任分析官、佐藤優(まさる)氏(共同)【拡大】
日本もサイバー防衛を
霞が関(官界)には、自分の出世(エゴ)が省益で、省益が国益になるという単純な同心円で物事を考えている官僚が意外と多くいる。米国の場合、官僚、ビジネス、アカデミズム間の相互異動が頻繁に行われるので、エゴと国益を金につなげることが容易にできるのであろう。もっともロシアや中国でも、「エゴ、金、国益」は、結びつきやすい構造がある。
現時点でロシアや中国はNSAのような本格的な監視システムを持っていない。ただし、技術の進歩は早い。特にロシアは、スノーデン氏から徹底的な事情聴取を行っているはずだから、NSAの技術のかなりの部分が既にシギントも担当するFSB(露連邦保安庁)に移転したものと思われる。
数年後には、ロシアや中国のサイバー部隊が目をつけた日本人のコンピューターやスマートフォンに侵入して、政府情報、企業情報、個人情報を盗み取るような状態になるかもしれない。このような未来を視野に入れて、日本としても独自のサイバー防衛技術を開発しなくてはならない。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)