宝塚の大先輩、鳳蘭と初共演。「稽古場では隣に座りなさといっていただき、いろいろ教えてもらっています」と話す瀬奈じゅんさん=2014年5月15日、東京都千代田区(寺河内美奈撮影)【拡大】
初心に帰った気持ち
舞台は1970年代の米フィラデルフィア。殺人現場を目撃しマフィアに命を狙われたデロリスがかくまわれたのは、規律厳しい修道院。修道女(シスター)とは生き方も考え方も真逆のデロリスだが、聖歌隊の下手な歌に絶句し、特訓を買ってでるように。やがてデロリスと修道女たちは声と心を重ねるようになる。
実際に瀬奈もシスター役の俳優たちと声を重ねて稽古をしながら「初心に帰ったような気持ちになった」という。
「曲が歌えるようになってみんなで喜んだり、みんなが輝けるにはどうすれば、と考えるうち、家族みたいに仲間と過ごした宝塚時代がよみがえりました。デロリスがシスターに成長させてもらったように、私も宝塚に育てられたんだって思います」と、100年の歴史を重ねた歌劇団で過ごしたころに思いをはせる。
地声でパンチ利かせ
パンチのあるデロリスの歌唱は見どころだが、瀬奈は今回、地声で挑む。「細い裏声よりも、地声のほうがゴスペル、ソウルミュージック的なパワーが伝わりやすいから」。楽曲を手がけるのはディズニー映画「アラジン」「美女と野獣」などでの名作曲で知られるアラン・メンケン。「70年代のディスコサウンドや、ファンタジーの要素などいろんな曲調を織り交ぜていて、メンケンさんは天才的」とほれ込む。