世界的ロックバンド、COLDPLAY(提供写真)【拡大】
先日、オバマ米大統領が安倍総理の歓迎を受けて数寄屋橋の江戸前寿司の名店を訪れたことは記憶に新しい。江戸前寿しの特徴は、“仕事”がしてあるということだ。つまり、ネタをそのまま握るのではなく、〆たり炙ったり、ひと手間かけている。おそらくオバマ大統領も江戸の粋を堪能されたのではないかと思う。
われわれ、放送局で働く社員の間でもよく議論になるのが、その番組は“仕事”がしてあるかどうか?ということだ。ただ音楽を流し、トークをする。それだけでは粋ではない、ナビゲーターやディレクターが、素材をどういう視点で切り、どういう演出で届けるのか?そこに番組作りの技があるというわけだ。
逆に、音楽が生まれたそのままの形でリスナーに届ける、そういう番組はなかなかない。例えば、FMラジオ業界でありそうでほとんどない音楽番組の形は、ライブの生中継番組だ。もちろん全くないわけではないが、J-WAVEでも3年に一度あるかどうかだ。ラジオでのライブの生中継は、アーティスト側にかなりの自信がないとできない。失敗がそのまま放送されるというリスクがつきまとうし、ラジオの場合、テレビに比べると映像がないぶん演奏そのものにリスナーが集中するため、細かい音程やリズムのズレもかなり気になるからだ。