雰囲気取り出す
タイトルの「原子心母」はピンク・フロイドの曲。ほかにキング・クリムゾンの「レッド」、イエスの「危機」などを収録。さらに、キース・エマーソンが東日本大震災にショックを受け書き上げたピアノ曲を、キース本人からの提案で弦楽四重奏に編曲した「ザ・ランド・オブ・ライジング・サン」が入っている。編曲はすべて荒井が行っている。
「携帯CDプレーヤーのイヤホンの上に電子ピアノのヘッドホンをかぶせ、譜面におこしています。ロックはドラムが重要ですが、ドラムをコピーするわけにはいきません。リズムのエッセンスを抽出するのが大変です。雰囲気をいかに取り出すかです。原曲を超えようとは思いません」
モルゴーア・クァルテットはショスタコービッチの弦楽四重奏曲全15曲を演奏するために1992年に結成された。4人はオーケストラの重要なポジションを持っている。荒井は東京フィル・ソロ・コンサートマスター、第2バイオリンは戸澤哲夫(東京シティ・フィル・コンサートマスター)、ビオラは小野富士(NHK交響楽団次席奏者)、チェロは藤森亮一(N響首席奏者)。現代音楽を中心に演奏活動を続けてきたが、プログレに反対はなかったという。