「抗議活動は民主主義国家の証しだ」。ルセフ大統領は、軍事政権時代の左翼ゲリラ闘士出身で投獄や拷問を受けた経験があり、平和的なデモは認めるが、暴力は許さないという立場。開幕前日の11日も「デモの権利は誰にもあるが、野蛮行為は認めない」と批判勢力を牽制(けんせい)し、笑顔で「一緒にチャンピオンを目指そう」と呼び掛けた。
再選困難な大統領
最近の経済低迷で、ルセフ氏の支持率は下落。最新の世論調査では10月の大統領選でルセフ氏に投票すると答えた国民は34%で、大会運営の成否にもよるが、ルセフ氏の再選は困難な状況だ。
開幕戦があるサンパウロの競技場。各国サポーターが記念撮影をし、多数の警官が周辺を固める。大会ボランティアの地元女性(26)は「(大統領選で)ルセフ氏には投票しない。準備の遅れとデモやストで世界に恥をさらした。『顔』を代えないと、恥ずかしくて五輪開催なんてできない」と話した。