全欧州、米上陸も…
この活動の意義を知らしめる出来事もあった。仲間の一人である女性フォトジャーナリスト、カミーユ・ルパージュさんが、中央アフリカ共和国で取材中、命を落としたのだ。ちょうど彼女の写真を街に張り出す直前の悲劇だった。ディスターブのメンバーは「(この活動によって)われわれも人々も、彼女を忘れることはないだろう」と話している。
ディスターブの活動について、いまのところパリ市役所などに規制する動きはないという。フランスの著名な戦場カメラマン、ギョーム・ハーバート氏はタイム誌に「フォトジャーナリズムはもともと戦闘的な行為。われわれが直面する世界の現実を問いかけるものだ」と好意的に評価した。
活動は順調だが、課題もある。写真1枚につきプリント料などが40ドル(約4000円)かかる。その費用はメンバーの自己負担なので、今後は活動資金を集める基金を創設したいという。欧州全域や米のニューヨークやサンフランシスコにも活動範囲を広げたいと話すテルジマン氏は「街角こそ究極のソーシャル・ネットワークなんだ」と胸を張っている。(SANKEI EXPRESS)