オーストラリア・ダーウィン、第1列島線、第2列島線。※米国防総省などによる【拡大】
当然、中国は面白くない。国営の新華社通信のサイトは7月8日付で、「安倍氏が徒党を組んでも地域の繁栄と安定のためにはならない」と題した論評を掲載。2つの協定締結など日豪の連携強化について、「貿易と軍事上のうまみで、豪州を引き込んである種の同盟を打ち立て、日本の戦略的ライバルを孤立させる。これは安倍氏の皮算用だ」と論じ、「多くの豪州の学者は、『2つの陣営に分裂したアジアは豪州の国益に合致せず、地域の平和や安定、繁栄のためにもならない』と指摘している」とした。
新華社の論調に異議
一方、豪州の有力紙は、新華社の論調に異を唱えた。オーストラリアン(電子版)は7月9日付の社説で、「中国国営の新華社通信は、安倍氏は『対中包囲網を構築する』ため豪州を利用したと主張する。同時に、日本の首相の豪州訪問は『アジア太平洋地域に新たな不安定をもたらす』ともいう。こうしたつまらぬ、誤った議論は、家庭の観客には受けるかもしれないが、大きな舞台ではだめだ」と論じた。