≪中国、新開発銀行の主導権握る≫
発展途上国支援を目的とする「新開発銀行」の本部は、中国・上海に置かれる。中国は新銀行運営で主導権を握るとともに上海を国際金融センターにする構想を後押ししたい考えだ。
中国はアジアの社会基盤整備を支援する「アジアインフラ投資銀行」の設立構想も着々と進めており、国際経済での影響力拡大を目指す。本部の誘致は中国とインドの間で綱引きがあったとされる。経済規模が新興国最大で、途上国でのインフラ投資でも多くの経験を持つ中国に軍配が上がった形だ。
本部の設置は「上海の国際金融センターとしての基盤整備に利点がある」(中国の金融政策に詳しい専門家)とされる。
新開発銀行が実際に途上国でインフラ投資を行う場合、欧米を含む大手金融機関も融資に参加することが見込まれる。情報や人脈が集まり、結果的に各国の金融機関がさらに上海を重視するようになる可能性がある。
将来、中国で金融市場の自由化が進めば、新開発銀行が人民元建て債券を発行し、途上国が人民元で融資を受け取ることも想定される。中国が進める人民元の国際化戦略とも合致しているといえそうだ。(共同/SANKEI EXPRESS)