ポロシェンコ大統領が戦闘再開を決定しなかったならば、今回の民間航空機撃墜事件は起きなかった。
ロシアのプーチン大統領にも、今回の事件に関して重い責任がある。KGB(ソ連国家保安委員会)出身でインテリジェンスに通暁しているプーチンは、賢明かつ狡猾(こうかつ)なので、ロシア軍が直接、ウクライナ東部・南部の親露派武装集団に参加するようなことはしない。ただし、GRU(ロシア軍参謀本部)が、裏金やOBのネットワークを用いて、親露派武装集団を支援することを止めていない。
GRUは、武器販売によって、予算とは別に簿外で大量の資金を有している。この資金が、親露派武装勢力に流れ、それが傭兵や武器購入の資金に充てられているのは間違いないと筆者は見ている。プーチンがGRUに「ウクライナへの介入を今後、一切止めよ」と命令すれば、状況が劇的に変化する。もちろん、GRU内の一部跳ね上がり分子は統制に服さずに親露派武装勢力を支援するであろうが、大量の資金供与はなくなるので、闇市場での武器購入が困難になる。