砂浜にひしめくようなビーチパラソルが少しまばらになったあたり。由比ガ浜海水浴場の西端に近い坂ノ下海岸には、週末になると空色のノボリが翻る。
子供たちが安心して夏の海を楽しめるように、今年から新設された「キッズ&ファミリービーチ」だ=写真。
鎌倉の海水浴場は昨年、風紀の乱れが指摘され、子供たちにはかなり居心地の悪い環境になってしまった。地元の海の家の組合の調査では、海岸での飲酒、とりわけ砂浜にテントやシートを広げ、酒盛りをして騒ぐようなグループが、海浜の雰囲気を悪化させる最大の要因になったという。
今年はその二の舞いを避けるため、地元では寒さの厳しい冬の頃から対策の会議が持たれ、海水浴場のマナー向上を目指す鎌倉市の条例や海の家の自主規制ルールの強化などさまざまな方策が打ち出された。
キッズ&ファミリービーチもその一つ。海水浴期間中の毎週土日と祝日、お盆期間に設けられる。安全確保にはライフガードも重点的に目配りをし、こうした空間が困った大人の抑止力にもなるといい…とここまで書いてきたところで、地元の努力を踏みにじるような事件が起きた。