7月21日の海の日。宮城県気仙沼市の離島、大島で開催された「海の日に美しい海岸で楽しむBBQ大会」は、絶好のイベント日和に恵まれた。
大島は“緑の真珠”と称される美しい島。日本の美しい海岸線や観光資源に感謝し、その価値を再認識しようと、首相夫人の安倍昭恵さんの呼びかけで企画され、全国から約120人が集まった。
まずは、大島の磯草虎舞保存会の子供たちによる太鼓や舞いの歓迎を受ける。そして、漁師さんの協力で地引き網漁を体験し、魚や昆布をワーキャーと手づかみ。気仙沼大島観光協会の協力により地元で獲れた魚介類のバーベキューやパエリアに舌鼓を打ちながら、砂浜をステージに手話ダンスやフラダンスを楽しむという盛りだくさんの内容。大人も童心にかえり海と戯れた。
けれども、「あー、楽しかった」だけで終わるイベントではない。
大島は9.9メートルの巨大防潮堤の計画が全島民一致による反対で見直しとなった。台風や津波の被害を防ぎ命を守ってくれるはずの防潮堤の建設に、なぜ地元の人たちは「NO」と言ったのか。被災した地元の人から生の声を聞き、海と向き合いながら考えることができる貴重な時間でもあった。
私たちに恩恵を与えてくれる海は、時として脅威となる。しかし、日本という島国に住む私たちは海と離れて暮らすことはできない。どんなふうに海とつき合っていくのか、問われているのは東北の人だけではない。(一般社団法人「Get in touch」編集部/SANKEI EXPRESS)