「自分が思い描いていた以上の、いいものができたと思いますよ」と笑顔で話すのは、リーダーの堀込高樹。1997年のデビュー以来、堀込兄弟によるバンドとして人気を博してきたキリンジが、弟の泰行(Vo,G,Cho)の脱退を機に、2013年夏より兄、高樹(G,Cho,Vo)を中心とした新体制の6人組KIRINJIとしてスタートした。アルバム「11」完成時に話を聞いた。
各自が歌を担当
「ボーカルがいなくなったことで、より音楽的に自由にできるかなと、考えました。僕が好きなバンド、たとえばビートルズやビーチ・ボーイズ、ザ・バンドはメーンボーカルに決まった人がいるわけではなくて、他の人も歌い、それでハーモニーもやって、楽器もいろいろ持ち替えてみんなで演奏する。そういう感じのグループになれたら面白いと思ったんです」
アルバムでは4人がメーンボーカルを担当する。しかも田村玄一、楠均、千ヶ崎学の3人は、これまでサポートしてきた気心の知れたミュージシャンだ。「レコーディングは今までより自由度の高いスタイルだし、特にミックスの仕上がりなど制作の最後まで加われたことが大きな違いだった」(楠)