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ブラジル 世界最大のジャングル 赤道直下に広がる「動物の王国」 (2/4ページ)

2014.8.8 17:45

雨期(12~7月頃)は乾期に比べて水面が10メートルも上昇するため、ジャングルは水浸しに。その奥へ手漕ぎカヌーで入っていくと、めくるめくアマゾンの世界が広がる=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)

雨期(12~7月頃)は乾期に比べて水面が10メートルも上昇するため、ジャングルは水浸しに。その奥へ手漕ぎカヌーで入っていくと、めくるめくアマゾンの世界が広がる=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)【拡大】

  • アマゾンの帝王「ブラックケイマン」。大人のオスになれば体長は4メートルを超す。カヌーで近づくと、間合いを取るようにゆっくりと逃げていく。その後、すごい勢いで水中へダイブして姿を消した=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)
  • 水没したジャングルを満月の光が照らし出し、樹々の姿が浮かび上がる。遠くで「ウォン!」という声がする。「なんで犬がいるの?」と問うと、「あれはカエルの鳴き声」とガイドから予想外の答えが返ってきた=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)
  • 沈んだ太陽の光が、地平線の先へつづくアマゾンの川面に反射して起こった現象。サイケデリックな光のショーに、地元ガイドも「こんな景色は初めて見た」とびっくりの様子=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)
  • 太陽が沈んでから、月が昇るまでの短い時間に姿を現した星の数々。日没後、空の状況が刻一刻と変化していく。夜のジャングルでは幾千もの動物の声が折り重なってこだまし、湖面の舟にまで聞こえてくる=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)
  • 長くアマゾンで暮らし、自然を知り尽くした男性の顔には深い皺が刻み込まれている。その物腰は謙虚だが、同時に威厳に満ちている=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)
  • ブラジル・アマゾナス州マナウス(州都)
  • 季刊誌「TRANSIT」(25号、euphoria_FACTORY/講談社、1850円(税込み)。発売中(提供写真)

 「動物の王国へようこそ。さっそくだけど、午後は地元に暮らすガイドと一緒にカヌーで散策に出かけるわよ」。フレンドリーなスタッフに迎えられ、手付かずの大自然に囲まれた時間が始まった。

 ≪目の前で展開するアマゾンの宇宙観≫

 カヌーでジャングルの中へ入っていくと、様子が一変する。陽が射さず薄暗い空間では、絡まりあった樹々や蔦が上へ上へと伸びていく。朽ち果てて倒れた木からは新しい木が生え、そこにタランチュラがじっと動かずへばりつき、隣では真っ赤な花が咲き乱れている。

 人間の手がいっさい加わらない自然の世界では、すべてのものがつながり、生と死が混ざり合い、輪廻(りんね)転生を繰り返しているよう。遠くからは、強い風が吹いているような音が聞こえてきて、嵐が近づいてきたのかと錯覚する。「あれはアカホエザルの鳴き声だよ」。地元ガイドが種明かしをしてくれた後も、その不思議な声は、別の世界から鳴り響いているような気がした。

アマゾンの宇宙を目の前にして…

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