雨期(12~7月頃)は乾期に比べて水面が10メートルも上昇するため、ジャングルは水浸しに。その奥へ手漕ぎカヌーで入っていくと、めくるめくアマゾンの世界が広がる=ブラジル・アマゾナス州マナウス(谷口京さん撮影)【拡大】
午後の太陽が傾き始めてから、マミラウア湖に沈む夕日を見るために、ボートで1時間ほど西へ移動する。空がだんだんと群青色に染まっていく頃、完全にないだ静かな水面に太陽がゆっくり沈んでいった。その直後、沈んだはずの太陽の光が放射状に湖面に広がっていく。アマゾンの天空ショーは5分ほど続いた後にふわりと消えた。少しずつ暗闇が濃くなっていくと、今度は東の空に星が瞬き始める。完全な静けさのなかで、星が湖面に映り込む――。
こんな長い時間、空を見つめたのは何年ぶりだろう。いつの間にか満月を迎え入れ、ジャングルはこうこうと照らされている。太陽と月と星と地球がつながりあっている。アマゾンの宇宙を目の前にして悠久の時に身を委ねていると、そんな思いがすっと心に入ってきた。(季刊誌「TRANSIT」 森川幹人/撮影:フォトグラファー 谷口京/SANKEI EXPRESS)