悲しいだけじゃない
説明がないと、誤解や偏見を招きかねないのは物語だけではない。タイトルも一見、子供向けのおとぎ話のようで、人生の悲劇を描いた本作のテイストからはかけ離れたものだ。監督の意図はこうだ。「僕は人に誤解させるようなタイトルが好きなんだ。タイトルからはヴィクとフロの男女の区別もできませんよね。そして作品には多くのユーモアとブラックユーモアが詰まっています。ただ単に悲しいだけの映画じゃないですよ」。なかなか癖のある監督だ。8月17日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)
■Denis Cote 1973年11月16日、カナダ・ニューブランズウィック地方生まれ。映画評論家として活動を始め、実験的短編を製作。2005年の長編デビュー作「Les etats nordiques(原題)」でロカルノ国際映画祭ビデオ部門の金豹賞に輝く。10年「Curling」はロカルノ国際映画祭で監督賞と男優賞の2冠を獲得した。