第2部終盤の『シザーハンズ』では、バイオリニストのサンディ・キャメロンが映画を意識した華麗な衣装で登場し、軽快に踊りながら演奏。エルフマンは最後に現れ、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャック・スケリントンの歌を歌い、オインゴ・ボインゴというロックバンドのフロントマンとして歌っていた当時をほうふつさせるような歌唱力、また役者魂を感じさせるパフォーマンスで大喝采を浴びた。アンコールでは指揮者とエルフマンが映画を再現する寸劇まで披露。映画と音楽の魅力を満載し、誰もが心から笑顔に包まれた好企画コンサートだった。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/撮影:フォトグラファー 清水隆行/SANKEI EXPRESS)
■Danny Elfman 1953年、米ロサンゼルス出身。80年から映画音楽を独学で手掛け、ティム・バートンとは85年の『ピーウィーの大冒険』で誘われてから、『ビートルジュース』『バットマン』『シザーハンズ』『マーズ・アタック!』『ビッグ・フィッシュ』『チャーリーとチョコレート工場』ほか、多数の作品で映画音楽を手掛ける。妻は女優のブリジット・フォンダ。