小さな体から機関銃のようにぽんぽんと言葉が飛び出す。しかし、発言の奥には謙虚さと知性がある。東京のトッパンホールで行われたリサイタルでも、ノリのよいリズム、そしてイタリアを思わせる明るい音色が特徴的だった。(月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」編集長 江原和雄、写真も/SANKEI EXPRESS)
■Andrea Bacchetti 1977年、イタリア、リビエラ海岸、レッコに生まれる。ザルツブルクのモーツァルテウム音楽院、パリ国立高等音楽院、ジェノバのニコロ・パガニーニ音楽院で学ぶ。11歳でシモーネ指揮イ・ソリスティ・ヴェネティと共演しデビュー。96年、プレミオ・ベネチア・コンクールで優勝。作曲家ルチアーノ・ベリオと緊密な関係を持ち、ベリオ監修で録音も行った。2012年、指揮者ファビオ・ルイジの強い推薦でパシフィック・ミュージック・フェスティバルに来日。