映画「リヴァイアサン」(ルーシァン・キャステーヌ=テイラー、ベレナ・パラベル両監督)。公開中(提供写真)【拡大】
□ルーシァン・キャステーヌ=テイラー、ベレナ・パラベル両監督に聞く
米マサチューセッツ州のニューベッドフォード港から出発した大型底びき網漁船の漁師たちに同行し、荒れる大海原での仕事ぶりを描いたドキュメンタリー映画「リヴァイアサン」(米・仏・英合作)。ルーシァン・キャステーヌ=テイラー、ベレナ・パラベル両監督は、11台の小型カメラを漁師たちや自分たちの体に装着して、撮影対象に今にもくっつきそうなほどのど迫力映像と音響で映し出す体感型の作品に仕上げた。
プロモーションで来日した2人はSANKEI EXPRESSの取材に「漁師たちの仕事の過酷さをロマンチックに記録する作品とは違います。まず映像を楽しんでほしい。観客は魚や船そのものになったような気分になれるし、人間が自然の前ではいかに無力で小さな存在であるかも理解できます」(テイラー監督)と強調した。また、映像の精細度は高くないことで「かえって抽象絵画を見ているような感覚にもなれる」といい、具体的には漁の際に船上で組織的に行われる魚を残酷に殺すシーンを挙げ、美と死への畏れがない交ぜになった世界を描けたと胸を張った。