京都が拠点の劇団「ヨーロッパ企画」が新作「ビルのゲーツ」を8月29日から本多劇場(東京)で上演する。世界有数の起業家の名に「の」を挟んだような脱力系のタイトルとは裏腹に、緻密でトリッキーな劇構造。個性さまざまな劇団員らが阿吽(あうん)の呼吸で、他にはないユニークなコメディー劇を繰り広げる。
ヨーロッパ企画は1998年、同志社大学の演劇サークルで出会った上田誠(34)、諏訪雅(37)、永野宗典(36)の3人で結成。今はスタッフ含め20人が所属する。代表である上田の脚本・演出による喜劇は、大きくヘンテコな構造物から生じる難儀なシチュエーションで人々が右往左往する-というTVゲーム的なタッチ。昨年上演の「建てましにつぐ建てましポルカ」では舞台上を迷路のようなお城に。都会のハイテクビルを舞台にした「ビルのゲーツ」はSF映画に出てくるような巨大ゲートをしつらえている。