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みんなで作るうちに愛される形に 舞台「ビルのゲーツ」 ヨーロッパ企画 (2/4ページ)

2014.8.19 09:45

個性豊かなヨーロッパ企画の役者たちと、主宰で脚本・演出の上田誠(左上)。上田は大学で工学を専攻した理系の劇作家だ=2014年8月9日(津川綾子撮影)

個性豊かなヨーロッパ企画の役者たちと、主宰で脚本・演出の上田誠(左上)。上田は大学で工学を専攻した理系の劇作家だ=2014年8月9日(津川綾子撮影)【拡大】

  • 舞台「ビルのゲーツ」(上田誠_脚本・演出)。(東京)8月29日公演、(大阪)9月10日公演(提供写真)

 一歩引いて状況笑う

 「上演会場が大きくなるにつれ、より大きなバカバカしさを追求するようになりました。その大仕掛けに不備があって生まれるどうしようもない状況は、いかんともしがたい『痛みの演劇』として描くこともできれば、一歩引いて状況を見つめ笑うこともできる。僕は後者。ゲートを開け、ビルをひたすら登るというシチュエーションは地獄の行軍のようにも描けますけれど、僕はお笑いが好きなので」と上田。劇作を語る言葉には、かの「ホーソン工場」実験で工員の作業を見つめた経営学者たちにも似た、行動観察者的な視座を感じる。

 今回は、ある企業のCEO(最高経営責任者)との面会を目指す男たちが、首にぶら下げたICカードを認証装置にかざし、各階の巨大ゲートを開けては上へ、上へとのぼっていくストーリー。開けど、上れど、幾重も重なるマトリョーシカのように扉は続く。20階…30階と高層になるにつれ、ICカードの認証方法は複雑化。ゲートの手前は、知力や体力を問うサバイバルゲームの様相に。CEOに会うためか、本能のままただ上りたいだけなのか。それも曖昧に。開けては上るの反復は、「人類」対「ビル」の壮大なドラマかと錯覚しそうになる。

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