理研などによると、患者の女性の皮膚から採った細胞に遺伝子を導入しiPS細胞を作製。さらに目の網膜の色素上皮細胞に成長させ、移植用のシートを作った。手術では、網膜組織にできた異常な血管を除去した上でシートを移植した。
多量の出血など問題は起きず、手術は当初予定通り2時間で終了。執刀した栗本康夫眼科統括部長は会見で「今日やるべき手術は無事に終了した。手術そのものは成功した」と述べた。患者の容体は安定しているという。
滲出型加齢黄斑変性は、血管の異常増殖で網膜が傷つき、視野がゆがんだり暗くなったりし失明にもつながる。国内で約70万人の患者がいるとされる。
iPS細胞を使った移植治療でも視力はやや改善する程度だが、チームは根治療法につながる可能性があるとみて研究を続ける。
7年…異例のスピード
2012年にノーベル医学・生理学賞を受賞した山中教授が、ヒトでiPS細胞を作製したのは7年前。基礎医学の成果がこれほど短期間で医療に結び付くのはまれなケースだ。iPS細胞の応用でも日本が世界をリードする意義は大きい。