ルビオ氏は1801~05年、15年の2度にわたり米国が北アフリカで戦ったバーバリ戦争を、海軍力の不足が海賊による災厄を招いた例として挙げた。初代大統領ジョージ・ワシントン(1732~99年)の「戦争に備えることは、平和を守る最も有効な手段の一つだ」との格言も引き、ルビオ氏は「だが、議会は同意しなかった。国内問題だけに焦点を合わせ、ワシントンの願いに反して海軍予算を削減してしまった」と指摘した。
軍備拡充で中国を警戒
オバマ政権によるイラク、アフガニスタンの2つの戦争からの撤退戦略、国防費の削減などにより「内向き」になる米国に警鐘を鳴らしたのだ。
保守系草の根運動「ティーパーティー(茶会)」が躍進した10年中間選挙で初当選したルビオ氏は、南部フロリダ州選出でキューバ移民の息子だ。12年大統領選でミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事(67)とコンビを組む副大統領候補として取り沙汰され、大統領選の帰趨(きすう)を決めるヒスパニック系の支持が見込めるとの目算から、13年2月にはオバマ氏の一般教書演説への反対演説にも抜擢(ばってき)された。上院では外交委員会東アジア太平洋小委員会で筆頭委員を務め、今年1月には訪日して安倍晋三首相(60)と会談した。ルビオ氏は17日の演説でも、アジアにおける安全保障を重視する姿勢を鮮明にした。