ドブロブニクは79年にユネスコの世界文化遺産に登録されていたが、内戦の結果、危機遺産として指定された。しかし、市民の手によって忠実に復元され、今の姿に至る。
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スタジオジブリの「紅の豚」「魔女の宅急便」のモデルとなった街としても知られる。石畳の狭い路地には猫たちが住みつき、すっかり街並みに溶け込んでいる。黒猫に出合うと、魔女の見習い「キキ」の相棒だった「ジジ」を思い出す。映画で一躍有名になった「ジジ」はこの街で、家族を作り優雅に暮らしているのかもしれない。
たくさんの海の幸の入ったリゾットを食べ、クロアチア刺繍(ししゅう)のレースをお土産に買い、世界遺産の教会を壁にストリートサッカーをしている男の子たちの姿を目に焼き付けると、さらにこの街を訪れた記念を残したくなった。
そんなとき、旧市街の一角で理髪店を見つけた。地元の人たちと一緒に待合室に並び、自分の番が来ると、「ドブロブニクカットで」と頼んだ。老店主は笑顔を浮かべ、東洋人の黒髪にはさみを入れた。カットが終わり、再び外に出て海風を浴びると、ドブロブニクの一員となったような気がした。(佐々木正明、写真も/SANKEI EXPRESS)