世界で一番美しい海岸線と呼ばれるグレート・オーシャン・ロード。十二使徒と呼ばれる奇岩群の周辺ではヘリコプターによる遊覧飛行も行なわれている=2014年9月11日、オーストラリア・メルボルン近郊(三尾郁恵撮影)【拡大】
ヘリコプターに乗り込みシートベルトとヘッドセットをつける。次第に回転数を上げていくプロペラに期待を膨らませていると、ふわっと機体が浮かび上がった。空中を滑るように移動した眼下には、西日に照らされ赤く輝く高さ約70メートルの断崖絶壁と奇岩群が広がっていた。
世界でもっとも美しい海岸線といわれている「グレート・オーシャン・ロード」。全長200キロ以上にも及ぶこの道は、第一次世界大戦から帰国した兵士たちがつるはしなどで手作業で作り上げた。現在、海岸線沿いは海水浴やサーフィンなどが盛んで、周辺はメルボルンから最も近い別荘地として人気が高い。
グレート・オーシャン・ロードの最大の見どころは「十二使徒」と呼ばれる奇岩群。オーストラリアの雄大な大地を切り裂いたような断崖絶壁に、何万年もの時をかけて波や風により浸食された奇岩群が並んでいる。かつては12の奇岩が並んでいたためキリストにちなんで十二使徒と名付けられたが、現在は浸食が進みいくつかの奇岩は崩れてしまったという。
メルボルンから十二使徒までの距離はおよそ200キロ、往復には10時間以上もかかる場所だが観光客への人気は衰えない。