前作の公開から10日後に生まれた娘の子育てから続編のヒントを得た。「親になると『きちんと子供を育てなければならない』という感情が芽生えます。僕は産休を取って一日中、娘と過ごしました。お風呂に入れたり、それはいろいろやりましたよ。でも、どのように育てればいいのか分かりませんでした。その後、僕自身が自分の人生としっかり向き合い、人生とは何かを理解していなければならないのだと気づきました。なぜならば、子育てとは赤ちゃんが分からないことを教えてあげなければならないからです」。そこで続編に登場した家族を紹介してもらい、彼らの葛藤をカメラ越しに見つめることで、人生の意味を学ぼうと考えた。
胎内記憶と出会い
豪田監督は大学を卒業後、30歳を目前に脱サラしてカナダで映像技術を学び、映像クリエーターや映画監督として名をあげた変わり種。青春時代は生きる意味などまるで考えたことがなかったというからまた面白い。「実は僕は両親と仲がよくなかったんです。でもある日、前作『うまれる』で描いた赤ちゃんの『胎内記憶』に出会った。つまり、赤ちゃんは自分が生まれる家庭を選んでいて、生まれた後もそのときの情景を覚えているというものです。『胎内記憶』が本当ならば、僕は自分と仲が悪い両親を選んだ意味を知りたくなりました」