さて、連載のタイトルにもなっている「なぜ人間は滅びないのか」という問いの答えは出たでしょうか。きっと、これまでの連載を読んでくださった方には、自然と伝わっているはずだと信じています。「なぜ人は人を虐げないと生きていけないのか」というのが私がずっと追いかけているテーマですが、それと対をなすのが「なぜ、人は人を助けるのか?」です。人が人を助けなかったら、人類はとっくに滅んでるでしょう。だから本能なのか、遺伝子レベルに組み込まれている生存システムなのか…その答えについては、私はこれからも考えていくことでしょう。でも、答えが出なくても、きっとこれからも、人は人を虐げ、それ以上に人は人を救っていくのです。。(作家 天童荒太 談/取材・構成:塩塚夢、写真も/SANKEI EXPRESS)
■てんどう・あらた 1960年、愛媛県生まれ。86年『白の家族』で第13回野性時代新人文学賞受賞、93年『孤独の歌声』が第6回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『家族狩り』で第9回山本周五郎賞受賞、2000年『永遠の仔』で第53回日本推理作家協会賞(長編部門)受賞、09年『悼む人』で第140回直木賞、愛媛県文化・スポーツ賞、13年『歓喜の仔』で第67回毎日出版文化賞受賞。