Q 米国の動きは?
A オバマ大統領が09年にチェコのプラハで「核兵器なき世界」を目指すと訴えた演説は有名だね。でも米政府や議会には賛否両論があり、核軍縮は進んでいないのが実情だ。核廃絶派はNPT再検討会議に向けて勢いを付けたい考えだけど、保有国が大規模な軍縮に動く気配はなく、再検討会議は難航が予想されているよ。
Q 世界にはどれぐらい核兵器があるの?
A スウェーデンのストックホルム国際平和研究所は今年1月時点で、世界に約1万6300発の核弾頭があると推定している。ロシアが最多の約8000発で、続く米国が約7300発と、両国で全体の約94%を占めるんだ。米露は近年、弾頭を減らしてきたけど、ウクライナ情勢で関係が悪化し、削減交渉は足踏みしている。
Q 日本の立場は?
A 来年は広島、長崎への原爆投下から70年だ。日本は戦後、唯一の被爆国としての立場を訴え続ける一方、米国の「核の傘」に依存してきた。政府の代表団は今回の会議で、核廃絶に向けて国際社会の結束を呼び掛けた。でも専門家からは「政府はどこまで本気で核廃絶を追求できるのか」と疑問の声も上がっているよ。(共同/SANKEI EXPRESS)