【フィギュア】羽生、日本人初のファイナルＶ２　けがから完全復活　２種類の４回転決めた (5/5ページ)

　≪町田、悪夢のフリー　３度転倒、最下位に沈む≫

　悪夢のフリーだった。３度目の出場で町田は初の表彰台を逃しただけでなく、最下位に沈んだ。出だしの４回転を含めジャンプで３度転倒。頭の中を整理しようと時折、顎に手を当てて考え込み「壁に跳ね返されて悔しい。結果を受け止める」と険しい表情で語った。

　「壁」とはベートーベンの「交響曲第九番」で目指す理想のこと。ジャンプの間にステップやターンをちりばめたプログラムは「針の穴を通すくらいの緻密さ」が求められるという。表現者として自ら上げたハードル。「演技は恥ずべきものだったが、後悔はない。こんなことで負けていられない。苦難を乗り越えた先に光はある」と信念はぶれなかった。

　次戦は２６日からの全日本選手権。昨季銀メダルに輝いた世界選手権の切符が懸かる重要な試合へ「歯車をかみ合わせてみせる」と執念を見せた。（共同／ＳＡＮＫＥＩ　ＥＸＰＲＥＳＳ）