米カリフォルニア州サンディエゴ【拡大】
世界中にたった6頭しか生存していなかった絶滅危惧種のキタシロサイの1頭が死んだ。米カリフォルニア州サンディエゴ動物園で飼育されていた推定年齢44歳のオスの「アンガリフ」で、高齢による自然死とみられる。アフリカに生息するシロサイはアフリカゾウに次ぎ地上で2番目に大きな哺乳類で、キタとミナミの2種がいる。サイの角は中国で漢方薬の材料として珍重され、密猟が横行。キタシロサイは生息地域での紛争多発で保護活動が頓挫し、すでに野生種は絶滅した。種の保存のための人工授精も失敗が相次いでおり、このままでは残された5頭の寿命とともに滅ぶしかないとの危機感が高まっている。
44歳、高齢で
「動物園で愛されたアンガリフの死によって、この素晴らしい種は絶滅に一歩近づいた。われわれにとってあまりにも大きな損失だ」
AP通信などによると、サンディエゴ動物園の学芸員、ランディ・リーチェス氏は声明を出し、その死を悼んだ。
14日に死んだアンガリフは1980年代後半に北アフリカのスーダンから輸入された。検視結果は出ていないが、50歳程度とされるキタシロサイの寿命に近い。